ホームページのリニューアル検討段階で確認しておくべきこと

ホームページを公開してから数年すると、リニューアルの話が上がると思います。
「デザインを一新してカッコよくしたい」とか「思ったより問い合わせがない」など、現状のホームページに対する不満があるかと思います。

でも、ホームページをリニューアルすれば不満が解決するかどうかは、一度じっくり考えた方が良いです。

リニューアルしてデザインが変わったものの、リニューアル前とアクセスや問い合わせの数は変わらなかったり、更新するコストが上がってしまったり、望んでいない結果をもたらしてしまうことがあります。

そういった事態になることを最小限にするために、検討段階で確認しておくべきことを手順を追ってまとめました。
検討した結果、場合によってはリニューアルをする必要はなく、部分的な改善で済むこともあります。
余計なコストを払わないようにするためにも、じっくり検討しておきましょう。

Contents

まずはホームページの現状把握から

まずはホームページの現状把握から始めます。
社内の評価や、実際のホームページのアクセス、ホームページの成果などを確認して、改善の必要がない良い点、改善が必要な点を洗い出していきます。

社内の評価はともかく、この時点である程度ホームページの成果が出ている場合は、わざわざお金と時間をかけてリニューアルする必要がないかもしれません。そういう場合は、その成果をどうしていきたいのかを検討するのが良いでしょう。

社内の不満点・要望を聞く

現状のホームページに関しての社内の評価を聞いてみましょう。
リニューアルの話が上がるということは、その結論に至った理由が必ずあるはずです。
それらを聞いて、まとめます。

不満を聞く時に重要なのが、“どういう理由でその不満が上がっているのか”を考えながら聞き取ることです。

例えば、「ヘッダのメニューを変えたい」という事項が上がった場合、なぜそういった意見が出るのかを考えます。メニューに対する不満の場合、理由は以下が考えられます。

  • 見せたいサービスのページに行きづらい
  • メニューの項目名がわかりづらい
  • メニューの情報としての階層がバラバラ

その意見をもらった時に深掘りして聞いていくことで、その理由を理解することができます。
表面的、具体的に出てきた意見は必ずその理由もセットで確認するようにしましょう。

アクセス解析のデータ

Googleが提供しているホームページアクセス解析ツール「Google Analytics(グーグル・アナリティクス)」を導入しているホームページが多いと思います。
導入しているのであれば、データを確認しましょう。

アクセス解析のデータを見る目的ですが、「現状のホームページの良い点・改善すべき点を整理するためです。リニューアルにおいて改善の必要のあるところを放置したり、改善しなくても結果の出ている箇所を変更してしまったり、といったミスを減らすために確認します。

どのデータを見るのかですが、以下の指標を見ておけば良いでしょう。
(Googleアナリティクスのメニュー項目名で書きます。)

  • コンバージョン > 概要 > 目標の完了数
  • 行動 > サイトコンテンツ > ランディングページ
  • 集客 > 概要

「コンバージョン > 概要 > 目標の完了数」は、問い合わせや申し込みの数(ホームページのゴールとして設定していた指標)です。現状のホームページがどの程度成果を出していて、自社の営業活動に貢献しているのかを見る指標です。

「行動 > サイトコンテンツ > ランディングページ」は最初に開かれるページ(ランディングページ)」です。ホームページを訪れた人が検索やSNSを経由して最初に訪れたページです。
このページから離脱する人が多い場合は、検索のキーワードとページの内容がマッチしていないことが多いです。

「集客 > 概要」は、ホームページに訪れるために見込み客が利用した経路です。

ホームページ経由で成約した成果

先の「アクセス解析のデータ」の「コンバージョン > 概要 > 目標の完了数」では、問い合わせや申し込みの数を確認しましたが、ここではホームページの後の成果を確認します。
ホームページから問い合わせや申し込みをされた見込み客が、最終的にどのような売り上げをあげることになったのか、です。

ここではホームページのお問い合わせから成約した金額など、かなり営業上具体的な数値で見ることができます。そこから、ホームページが具体的に、自社の営業においてどの程度貢献したか、を確認します。

アクセス解析のデータがない場合でも、お問い合わせをいただいたお客様に対面で営業する際は、最初の訪問できっかけを聞くことがあると思います。そういった時にホームページがきっかけである場合は、ちゃんと数を控えている数を確認します。

(こういったデータを持っていない場合は、お客さんのデータを蓄積していく仕組みを構築することを検討しましょう。主観だけで営業していて成果が出るうちは良いですが、成果が出なくなった時の原因究明として、大きなヒントを得ることができるようになります。)

リニューアルの目的を定める

ホームページの現状について把握した後は、課題となる事項が少し具体的になっているかと思います。
次に検討するべきは、リニューアルの目的です。

基本的には現状把握で明らかになった課題を解決することが目的となるはずです。

ただ、目的の場合は抽象的な文章になっていると思うので、具体的な行動に落とし込んでいくために、それを数値にして目標としましょう。

具体的な数値としては以下のような目標になるかと思います。

  • 問い合わせ月間:20件
  • 検索からのアクセス前年比50%プラス
  • 新規ユーザー前年比50%プラス

具体的な目標値に対して、それに対する施策をリニューアル時に施していきます。

本当にリニューアルするかどうか検討する

これまでの流れでホームページの課題が浮かび上がり、具体的に数値目標もハッキリしてきたかと思います。この時点で本格的なホームページのリニューアルをするのか、部分的な改善に止めるのか決めましょう。

成果は良いが、現状のデザインが相当古臭いものに感じられるのであればデザインだけ変更するとか、現状のデザインはそのままで、必要な改善だけを依頼するのか。
どの程度変えるのかは予算と相談して決めましょう。

ひょっとすると、ホームページのリニューアルよりも、広告を打ってホームページに誘導するなどといった広告を使った施策をした方が成果が出やすい場合もあります。

予算を決める

予算に関しては、求められる成果に対してどの程度必要かを検討する必要があります。

制作会社に見積もりを出してもらってから予算感を見ることも良いですが、その金額に見合った成果が出るのかどうかをしっかり確認した方が良いでしょう。
制作会社に相談するときは、リニューアルを検討している意図をしっかり伝えるようにします。

ホームページの成果に関して制作会社としては答えずらいとは思います。
実際にリニューアルして公開しなければ分からないことも多いです。
(特にGoogleの検索の仕様が変更になって、実施しようとした施策が通用しなくなることもあります。)

その辺りは、制作会社の提案を聞き、成果をあげるためにどのような施策を打つのかをしっかり確認しておきましょう。

逆に言えば、その辺りの成果に対しての施策がしっかりしていれば、成果の数値に関して返答がなくても信頼できるかもしれません。

スケジュールを決める

ホームページの制作には2〜3ヶ月くらいは掛かりますが、いつまでにリニューアルしたいか、大体の目安を検討しておきましょう。

ホームページの運営に関しても、社内で担当者や問い合わせを受け付けた後の流れが変わるなどの変更がある場合は、その制作期間の間に整えるようにします。

リニューアルだけが課題解決の手段ではないので、慎重に検討することが大事

ホームページのリニューアルとなると、大きな予算と時間が掛かります。
現状の成果に関して特に問題がない場合は、部分的な改善に留めておいて、必要な時に向けてリニューアルの予算を確保しておくのが良いです。

リニューアルという言葉のイメージから、「ガラッと印象が変わって、運営が好転する」かのような気がしますが、課題の解決なくして成果の向上はありません。

リニューアルはあくまで手段であり、目的ではありません。
ホームページからの成果を上げるなど、課題を解決する手段はリニューアル以外にもあります。
余計な予算を消費しないで、効率よく成果を出す方法を検討しましょう。